meishi展向けに突貫で作ってたのがいけなかった…
今年5月下旬、一週間の期間で遊舎工房にて開催されたmeishi展。
これに私もエントリーして出す予定でいたのですが、良いデザイン案が思い浮かばないうちに(TS32の基板やケース修正や天キーVol.2準備したりしてるうちに)リミットがどんどんせまって、会期後半には間に合うかなぁというタイミングでPCBをなんとか発注…。したんですが、PCBの生産と到着が遅れてしまい基板が家に到着したのはmeishi展最終日の一日前。その日はTokyo Mechanical Keyboard Meetup Vol.6のため東京にいて何も出来ない、という悲劇により間に合いませんでした😫
とりあえず作って動作確認まではしていたのですが夏休みの間にケースを作りました。
誰にも配られることのない名刺基板の供養としてここに記します。
PCB仕様
- 91x55mm未満(meishiサイズ)
- MX互換スイッチ(Kailh MX Socket対応)
- 15キー
- TRSコネクタ装備(つなげば30キー)
- ATMEGA32U4直付け
冒頭のとおり良いデザインが浮かばずとりあえず展示したぜっていう記録だけでもといいかと開き直ってmeishiサイズにギリギリ収まる15キー、つないで30キーの分割キーボードになるようにしました。
MXソケット対応にするとProMicroの使用が厳しくなるので32U4直付け。(この時点でPCBだけ配るのは申し訳ない仕様になってしまいました)
なんとなく蜘蛛っぽいなと思ったので基板に蜘蛛のデザインを入れたんですが…ダサい…🤦
そして左右の接続は設計ミスにより右側のみMCUの7番ピンを浮かせなければならないという…
といった感じの中途半端な物が出来上がってしまいました。
meishi展に間に合わなくてもTreadstone32/48購入者のboostおまけとして添付しようかと考えてた時期もあったのですが、上記のような有様なので完全お蔵入りです…
動作確認中の写真。戸当たりのゴムをPCBのネジ穴に取り付けたのだけどネジ穴位置が中途半端ですっごく打ち難いのと、PCBマウントの5ピンのスイッチを使ってもスイッチがちょっとグラグラするのが難点。
ケース
夏休みに入ってPCのデータを整理していたときにこの基板のプロジェクトのデータフォルダが目に入って、ケースデータを軽く作ってみようかな、せっかくだからまだ一度も体験してないカインズホームのレーザーカットサービスを利用してみようかな、と思い立って片づけそっちのけで作り始めました。
アクリルは一枚で済むように3mmアクリルを想定して、トップレイヤー、マウントプレート、ミドルレイヤー二枚、ボトムの5枚構成に。構成枚数が増えると工夫しないと面積を取られるのでコストがかかりますが、一度きりだし良いかなって😇
ケースの形状はmeishi基板を囲うカタチに、USBコネクタとTRRSコネクタの逃げ部分を考慮してデザイン。上面から見ると四隅をカットしただけのシンプルな形状にしました。
カット
そうして出来たケースデータを持って(ノートPCとUSBメモリを持って)カインズホームでアクリルを買ってレーザーカットを申し込みました。初めてだったのでレクチャーを受けてからカットしました。
600x450のアクリルを買ったらギリギリ入らないので材が数ミリ(見たところ1mm無い感じ)浮いてカットした時のエッジが直角になりませんが大丈夫ですか?と確認されました(今回特に問題ないのでOKしました)もし自分もやってみようって方は事前に確認してください。
aiファイルでしか入稿しないと書いてあるのですが、Illustratorならsvgも読めるだろうってことでsvg読み込みで試していいですかとお断りを入れて読ませてもらいました。InkScapeでプレーンSVGファイルを出力したものをちゃんと読んでくれました(チャレンジする方はくれぐれも自己責任で。またカインズ店舗によっては受け付けない場合もあるかと思いますのでその時はあきらめてください)
— ᙢᗩᖇḰ (@marksard) August 11, 2019
無事カットも終わってウキウキ持ち帰って組み立てたらケースにバグを発見😇
TRRSジャックとプラグの逃げの部分が足りてなくて、仕方なく家にあるアクリルカッターでチマチマとカットしました(完成写真では分かりませんが実はちょっと汚い)
下の画像のケースデータは修正したものです。再びカットすることはないでしょうが😇
完成
オールクリアアクリルの積層で外観はきれいに出来ました。
同じキー数の格子配列の分割キーボードだとfoobarがあって、前々からGherkinやFoobarのような30キーが欲しいなと思っていたのもあって個人的に満足度高いです。
with ダイアテックSAキーキャップ+ゼロケーさん作の3Dプリンタ製エンターキーキャップ
with GMK Laserの余剰キーキャップ
名前ですが特に決めずに進めてて…PCBのプロジェクトはmeishi、ファームウェアにはStoneAxeと名付けてます。36キーのMiniAxeを30キーにして左右通信をUSBではなくTRRSにしたから石斧(Stone Axe)みたいな発想からの命名です(MiniAxe作者のENDOさんすみません)
レビュー
キーマップはTS32ベース。右下の.と/キーを削除して、BackspaceとSpaceを削除した位置に移動するカタチ。
.キーは,キーでタップダンスで入力、/キーはレイヤーに押し込んでます。変更箇所的にはそれくらいなのですが右小指エンター、右薬指バックスペースという若干特殊な入力を要求されます😅
BキーとNキーを右に寄せて親指に割り当てる方法のがメジャー(?)(alpha28やgherkinの作例はそうなってるの)ですが、BNMキーの運指が変わるほうが学習コストが高そうなので避けています。あとRhymestoneの30キーやNomu30で小指、薬指でなんとかする系は慣れているのもあるかも…
単純に使い勝手という意味では左右親指でレイヤー操作出来、かつ,./の入力に手間が必要ないTS32のほうに軍配があがりますが、格子配列でミニマルな外観はやはりいいですね。
打鍵している動画です。右小指のサイドで打鍵しがちなのでキーキャップに爪が当たって削れるんじゃないかって心配が少しあります😅
Enter,BS,Space,ドットにカンマのような文節の区切りに使うキー、漢字変換の変換次候補と決定が小指に集中しているので最初は結構混乱しますね。
30キー…
— ᙢᗩᖇḰ (@marksard) August 12, 2019
文字打ちだけならまぁなんとか行けるかな…(右下の2キーにBSとスペースが割当たってます)
それ以外はTS32のマップと同一なのでレイヤー操作もまぁ慣れれば…小指が疲れそうだけど😅
KbdfunsT1(lubed)と中華DSA pic.twitter.com/YgGRfeQONj
おまけ
アクリルカットするときに、TS32のマウントプレートのデータも入れてカットしてありました。
標準添付しているPCBプレートと比較すると、底打ち時の打鍵音はどのキーも均質な音になり打鍵感も固くなりました。Gateron Redを使うと底打ちで指が痛くなりがちだったので、タクタイルのT1に交換しました。リニアスイッチならもう少し重めがいいかもしれませんね。
ホワイトアクリルのほうに着けましたキャップはGMK paperworkのalphaとGMK laserのモデファイアキー。laserのキリっとしたカラーがアクセントになって映えますね。
クリアアクリルで、紫のPCBが透けて見えます。さらにundergrowLEDを光らせるとその光も漏れ出てこれはこれでいい演出。