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Hi, I'm marksard.

Joy of making, Smile be making, Interest and making.

Eurorack Playground MkI

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遊ぶためのモジュール

モジュラーシンセの世界って様々なモジュールがリリースされていて興味惹かれまくりなんですが、個人的な工作趣味として「調べて作ってつなげて遊んで並べて悦に浸る」をしばらくやっていこうかなと思ってます。

ひとまずは今年の春頃に作ったシンセとマルチエフェクターをユーロラックケースに収まるようにモデファイしようと考えました。今回は前者の記事です。

Mozziライブラリでシンセサイザーを作る ではV/OCTやGATEやSYNC INを付けて、所有しているBehringer TD-3のシーケンサーを使って発音させたり、Teenage EngeneeringのPocket Operator Tonic TO-32と同期演奏したり、MIDIの送受信も出来るようにしてDAWと連携させたりという感じでアプリ側の実装を学んだり、ハードウェア側の回路定数をちょこちょこ変えたりと試して遊ぶみたいな要素も含めていたんですよね。
ユーロラック化するにあたっても

  • アプリの実装によってモジュールの持つ機能が変わる
  • 背面に基板を増築して機能を強化する(SPIのDAC追加したり、バッファを追加したりetc…)

というようなモジュラーユニット内のモジュラー化を意図して設計に盛り込んでみました。
例えばMIDItoCVあるいはCVtoMIDIとか、VCO、EGやサンプラーなんかを単体機能のアプリで作っても、共通のハードウェア上で(入出力の回路定数を変えたり追加基板を載せることで)動作出来る、みたいな汎用性を持ったモジュールが良いなと。

というのも似たようなインターフェースのモジュールを作るために毎回同じような回路定数のパーツを組み合わせパネルを設計してというのが自分は億劫だなぁと思ったのと、コンパクトにしようとすると使えるGPIOの数やADC数におのずと制限が出るので、自分的に許容範囲内の最低限のユーザーインターフェースと入出力を備えたコンパクトなモジュールを作って基板にしておけば、完成実機とは別に試験機を作りやすく思いついたことも実現しやすいのかなと。

仕様

  • 8HP
  • 5V(実測39.2mA。OLEDの更新頻度にもよると思われる)、+12V(実測12.2mA)を使用(16pin)、USB駆動も考慮
  • 2ポット、2エンコーダー、セレクタ(1回路2接点)による操作
  • グラフィカル表示(OLED 128x64)
  • MIDI IN, MIDI OUT(MIDI OUTはDC出力と切り替え式)
  • V/OCT IN, GATE IN(ADCピンと接続、バッファレスで回路定数変更によりOUTも可)
  • RCフィルタ+OPAMP+ACカップリング付きGPIO0 PWM AC出力(回路定数変更によりDC出力可)
  • RCフィルタ+OPAMP+カップリングなしGPIO1 PWM DC出力
  • V/OCT IN, GATE IN, AC OUT, DC OUTとGPIOはピンをショートさせることで結合(後述)

勘案した結果こんな感じに落ち着きました。
LFOやVCOをAC出力したい場合を考慮してAC OUTひとつ、V/OCTやエンベロープなどのCVを出力したい場合を考慮してDC OUTひとつ。
V/OCT INとGATE INはADCピンと繋がるのでアナログのCV入力が可能(GATEは回路定数変更で対応)
V/OCT IN, GATE IN, AC OUT, DC OUTとGPIOは基板上では結合させず、通常はピン間をショートして使用します。
基板を拡張する際にはこのピンを中継してバッファを追加するなり、DAC出力と差し替えるなりして使えるようにしています。
ユーザーインターフェースはOLED128x64ドットの表示と、2つの可変抵抗、2つのロータリーエンコーダー、1つの双方向レバー(2スイッチ)を付けて、メニュー操作、トグルやインクリメンタルな設定、ダイレクトな操作感にも対応出来るようにと最低限用意した感じです。

回路図とアプリはgithubに置いています。
https://github.com/marksard/EurorackPlayground/tree/main

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そのうちオープンソースハードウェアライセンスでkicadプロジェクトを公開したいなと考えてはいるのですが、フットプリントやシンボルなど整理もしなきゃなのでまだまだ先になりそうです。

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ノブはギリギリ操作しやすいかな?くらいの間隔。ジャックやノブパーツの間には割とぎっしりリード部品が詰まっています…

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写真の電源ピンとソケットは2.54mmピッチで揃えてて、背面に追加のユニバーサル基板などをカットして接続しやすいようにしています。
今はソケットにリード部品の切った脚をつかって一部をショートして使っています。

アプリ

アプリはいまのところ3個。下のふたつは余裕があれば別の機会にちゃんと書きたい気もしますが、今回は軽い紹介で。
ひとつは動作検証用のシンセアプリ。
それとステップシーケンサーアプリ。
最後に最近作ったシンプルVCOアプリ。

シンセアプリ

シンセアプリはpromicroシンセ(Mozziライブラリでシンセサイザーを作る)で動かしていたものを移植して増改築を繰り返してるもの。エフェクターの画面と見た目共通化したりして使い勝手は以前よりあがっています。

ステップシーケンサー

ステップシーケンサーは検証用アプリにつけてたランダムシーケンサーの機能を強化して単体化。
ノートとゲートを独立してシーケンス出来るようにして、再生方向を変えられるようにしています。
ノートとゲートの編集機能、ゲートの長さ調整機能も付けて、ノートとゲートの前後移動も出来ます。
鳴らして遊びながら作っているので飽きるまで増改築は進みます()そのうち動画も撮りたいですね。

シンプルVCO

シンプルVCOはSAW、SQUARE、TRIANGLE、SINEをDDS方式でPWM出力で鳴らすもの。以前SPI DACを試すために作ったアプリがベース。
ロータリーエンコーダーで波形を選択して、ポットで基音を調整して、OLEDで波形と基音を表示。V/OCTで0-5Vに応じて音階を出力するというもの。まだやってはいないけど2VCOまで作れそうだし、ウェーブテーブルを自分で書けば波形再生もできるので夢が広がる。
PWM出力でもちゃんと鳴っているけど、そのうちSPIのDACで鳴らす予定。

動画など

このポストは旧基板上(後述)で開発中のステップシーケンサー。まだランダムに変化させることしか出来てない時のものですが…片鱗はうかがえるかと。

このポストは現行基板のステップシーケンサーアプリ(画面左端)からV/OCT、GATE、SYNC OUTを出して演奏しています。
V/OCTは分岐して自作したDCO(そのうち記事にします)と、画面中央のシンプルVCOアプリをつないで音階を制御、SYNC OUTはPPQ2でPO-32のリズムを演奏させてます。
GATEはbehringerのEGにつないで、DCOとVCOの出力はパッシブミキサーでまとめて、behringer neutronのVCF→VCAを通してGATEとEGで音長を制御しています。

こちらも旧基板のものですが、シンセアプリとマルチエフェクターモジュール(これは今度記事にします)と、Roland T-8と同期演奏したもの。

こちらも同様で、PO-32とBehringer neutronと併せて演奏しています。

今後はDAC基板を追加したり、EGやLFOなんかのアプリも作って遊んでいきたいです。

旧基板と試作

最後に試作のご紹介…
この仕様を検討するにあたっていくつか試作しています。
ひとつはエフェクタ基板(Spin Semiconductor FV-1でエフェクターを自作する)とpromicroシンセ基板(Mozziライブラリでシンセサイザーを作る)を合体させたもの
もうひとつはrev1.0.0

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(左:promicro基板 中央:合体改造基板 右:rev1.0.0)

promicroは非力だし128x32ドットは狭かったので、エフェクタ基板はRP2040と128x64ドットのOLED。これが良かったので、エフェクタ基板にRP2040を付けてgpioピンを基板の各所から取り出してpromicroシンセ基板につないで、promicroシンセ基板のコントロールを使うという合体技でしばらく検証していました。
これの次にrev1.0.0なんですが、エフェクタ基板の100mm角の余白エリアにいれるため急遽エイヤ!で入れた考慮が足りなかったり気に食わないところが色々あって作り直したのが今回の基板です。

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(奥:rev1.0.0 手前:rev1.1.0)

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旧基板を作った8月末ごろ。

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そして11月のいま。記事を書かないで基板更新したりLFO作ったりDCOやパッシブLPGとか作ってたので増えてます。
これらについても順次記事にしたいなと思っています。

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