尖ったStonehenge30をまあるくした
Stonehenge30、ウッドケース作ったりして割と気に入って使っています。
気に入ってるものの(この記事も2/3くらいはStonehenge30で書いてます)親指レスじゃないもう1つのパターンも試したいという気持ちが日々頭をよぎるようになってしまい…作ってしまいました。
キーレイアウト
Treadstone48の配置のまま、アルファベットエリアの30キーと親指2キーだけのレイアウトにしました。
Treadstone48のIrreguar row staggered配列の解説は後述します。
前回試作したStonehenge30を使っていて、
- 長押しモディファイアキー/単押し通常キー機能(MT()マクロ)を使った文字キーとモデファイアキーの誤打鍵は調整次第で少なくなる
- 長押しレイヤー移動キー/単押し通常キー昨日(LT()マクロ)をスペースやバックスぺースに追いやるのは誤打鍵率が減って扱いやすい
というのを実感出来たんですが、
- 親指フリーは親指がなんだか寂しい(慣れましたが)
- レイヤー移動で数字キーを押すとき若干もどかしい(4567と打ちたい時打ち難い…かといってテンキー風にするとそれはそれで打ち難い)
- 英文、和文の打鍵速度が上がらない(人差し指の仕事量が増えたため)
ので、そのあたりを改善するには親指に仕事を戻してあげるのが良いのかなと。
他にこんなメリットも。
- TreadStone48が打てる人は学習コストが低い(すぐに打てるようになるはず)
- Stonehenge30では削った.と/のキーをトップレイヤーにもってくるとやっぱり快適さが随分変わる
- 3x15の文字列部分を物理的に用意できているのでQwerty以外配列にも対応しやすい(デフォルトでは30キーのうち1キーをEnterに割り当ててますが…)
Treadstonの配列について
タッチタイピングの基本形を通常のキーボード配置(Row Staggered)に適用し打鍵を行うと、YキーとBキーがホームポジションから最も遠くなってしまい左右の境界線が曖昧になってしまっていたり、上段と下段が指の関節の動きとは違う方向にずれているために小指と人差し指の代わりに薬指や中指で代用する打鍵をしてしまっていたりしませんか?
自作キーボードで主流のOrtholinear配列はそのRow Staggeredの問題点が解消され、指のストロークは左右均等になります。しかしRow Staggeredで押しやすかったキーが遠くなってしまい学習コストが高い要因になっています。
この変形Row Staggeredは、通常のRow Staggeredの左手下段列を左にずらし、また右手上段列を右にずらすことで、
- 指のストローク量を左右均等にしつつ
- 上段、下段の端キーに人差し指と小指を届きやすくし
- 指の屈曲方向にあわせた形にキーが配置されることで打鍵がスムースに行え
- 少し肩や肘を開いてのポジショニングが可能
というメリットにより快適な打鍵が行うことが出来ます。
また物理的な配置が変わる部分における学習コストもズレがまったくなくなってしまうOrtholinear配列と比較すると緩和されているのではないかと思います。
PCBデザイン
最初はProMicroを使う前提でStonehengeと同じような感じで左下もしくは右下に配置するか、背面に配置して見えなくするかを検討していたのですが、ProMicroを配置する最適な位置というのが見つからないのもあり、ATMEGA32U4を直付けすることにしました。
ATMEGA32U4のリファレンス回路みたいなのないかなぁとDiscordで呟いたら公開されているProMicroの回路図やATMEGA32U4のキーボードPCB設計ガイド をやよいのうさぎさんやshelaさんに教えてもらって非常にありがたかったです。
部品選定他はMiniAxeのビルドガイドも非常に非常に参考にさせていただいてて、ほぼ部品構成がMiniAxeと同じです(すみません🙇)そのうえMicroUSBコネクタのあのミッドマウントなやつ使いたくてフットプリント探していたらMiniAxeの作者のENDO Katsuhiroさん からフットプリント公開していただいたりして恐縮しきりです。
マウントプレートに関しても今回工夫しています。マウントプレートは以前から傷モノが多くて毎回発注数の半分くらいは大きいスレやらレジストに穴あいてる傷やらマジック修正やらが入ってたので何とかしたいなぁと考えてたんですが、◤◢◤◢◤◢◤◢さんがマウントプレートの品質改善策として実践されていたテクニックを教えていただいて今回はそれを反映しています。マウントプレートも1.2mm厚を試してみてこれも中々良好です。
この場を借りて皆様にお礼いたします。ありがとうございました!🙏🙇
フットプリントの配置もキーレイアウトのおかげで上部中央と親指位置に空間がイイ感じに空いているので楽に決定出来たうえ、キースイッチも難なくすべて正位置に並べられました。
ケースデザイン
サンドイッチマウントのケースです。複数の厚みのアクリルを積層して基板と部品のクリアランスを確保しつつホコリをシャットアウト、ハイプロファイルケースっぽい趣になるようにマウントプレート上にもアクリルを重ねます。ケースで囲うと素通しよりも打鍵音が少しマイルドになってイイです。
ケース外形ラインはこれまでキーキャップで見切るサイズで作っていたのですが、外形を膨らませつつ緩急をつけたラインにして外側をねじで保持するようにしています。本当はアクリルの穴にスペーサーを入れるくらいの穴サイズを確保したかったんですが、外形サイズが少し大きくなってしまうので今回のデザインでは避けました。
完成写真
写真の親指2キーは1.75U + 2.25Uの組み合わせ。この2キーは1U x 2 ~ 1.75U + 2.25Uの組み合わせまで対応しています。スタビ穴は2U未満のキャップを使用した時の見栄えを考慮して不採用です。また親指位置は極端に端のほうは押さないだろうと判断したためです。
MicroUSBですが、接合箇所が多くもげにくいタイプを使っています。開口部は少し広めにとりましたので一部の市販のL字変換プラグを使う事も出来ます。
ケースは5mm厚と2㎜厚のアクリルを組み合わせています。ボトムに2㎜透明、トップとミドルに5㎜不透明黒を選んでいます。
ちなみにこちらに着けている親指2キーは2U + 2Uです。
GMK Solarized DarkのBaseキットとColor ModキットとSpacebarキットを組み合わせて、Treadstone48と32で割り振りました。48の方は普通な感じにそろえて、32のほうは上段を数字キー(R1)、中段左はテンキーでASDFGっぽい表現と右はspacebarキットのHJKLを配置(#!以外は全部R3)、下段はModキーを中心に(R4)とキーキャップのステップも考慮しつつレジェンドとキーマップがある程度一致するように着けてみました。
Taihao104キーキャップでも出来なくはない…
マウントプレートは遊びでモールドっぽく白いラインを入れています。反対側はモールドデザインのないスッキリタイプなのでリバーシブルで使えます。
天下一わいわいキーボード会vol.2にて販売予定
天下一わいわいキーボード会vol.2の「一体型自キ同好会」ブースにて販売を予定しています。サリチル酸さんのロープロファイルOrtholinearキーボードNaked48LED、Naked60BMP(紹介記事)、せがたさんのATMEGA32U4直付け40%キーボードAnswer40(紹介記事)と共に販売しますので、是非お立ち寄りください!
ほか、「一体型自キ同好会」ブースでの物品内容についてはサリチル酸さんによる告知記事を読んでお財布を空にする覚悟を決めてください💸
※この記事はStonehenge30とTreadstone32で書きました。